2023/06/21 12:00

Kākoʻoは、ストラップピンがついたメイン部と吸着シート部の、2つのパーツから構成されています。
この2つのパーツを貼り合わせることで製品が完成します。



前回カー用品店で見つけた吸着シートを早速買って帰り、何度か貼ってはがしてを繰り返しても
塗装が剥げないことを確認しました。さて、これにどうやってピンを取り付けるか。
既存のストラップピンを加工して吸着シートに貼り付ける、ネジか何かで締める、などなど、
ウクレレに傷がつかず、吸着シートが破れず、見た目もスマートな方法をいろいろ考えた末に
到達した結論が、3Dプリントでした。

実は、Kākoʻoの原価のほとんどを占めているのが、この3Dプリントで作ったメイン部です。
このパーツは、ウクレレ程度の重量がかかっても壊れない、それでいてウクレレのボディの湾曲に
沿ってしなやかに曲がる素材でできています(詳しいことは秘密)。
この素材にいちばんお金がかかっているんです。

正直、ストラップが掛かればいいだけなら、もっと安い素材はたくさんあります。

↓これまでの試作品の数々。

ですが、しならない素材だと、ボディに密着しない部分からはがれてきて、ウクレレが
落ちてしまいます。
かといって、ボディに密着させる方を重視しすぎると、ピン部の強度が保てません。
上の写真の中にある黒い試作品はゴム素材ですが、ボディにぎりぎり密着するくらいの
硬度で作っても、ストラップを掛けて数分でピン部がちぎれてしまいました@@;

また、見た目も大事です。安さを追求すると白かグレーになって、いかにも部品といった
感じで美しくありません。黒ならそれほど目立ちませんが、熱を吸収するので夏場など
劣化が早く進む可能性があります。

一定の時間問題なくウクレレを保定できて、ボディにしっかり張り付いて、見た目も
スタイリッシュな半透明の素材が、Kākoʻoの材料です。

出力用の機械と素材の価格の都合上、一度にたくさんは作れません。次のロットの生産を
どうするか、同じ素材で安く作る方法はないか、発売後の今も考えています。

(続く)